運送業者の引越し作業が危ないというお話をする前に、そもそも運送業者と引越し業者が違うということをご説明しなければならないでしょう。
一般の方は、運送業者＝引越し業者だと思っている方が多いようです。
もっと言えば、運送業者ですら引越し作業を安易に考えていて、不景気で仕事が減ると引越しの仕事に手を出すくらいです。
ただ大抵の場合、こういった形で引越し業界に進出した運送業者は撤退を余儀なくされているんです。
それは何故なんでしょうか。
運送業者と引越し業者に共通しているのは、トラックを持っており力の強い作業員がたくさんいると言うことです。
ですから、宅配や企業間の荷物を運搬する仕事が激減したときは、そのトラックと作業員に引越しをやらせることによって売り上げの穴埋めをしようとするのは、ある意味正しいというか自然な流れだと思います。
ただ、ほとんどの場合売り上げを上げるメリットよりも、クレームや破損の荒らしになってデメリットばかりになります。
これは、引越しの作業というものが一般的な運送業者の作業と比べて丁寧さやサービス業的要素が強いということに他なりません。
一般的な運送業者の作業員は、普段企業の荷物や宅配の荷物を扱っています。
それらは決して乱暴に扱って良い物ではないですが、ダンボールで梱包された荷物が多かったり、壊れやすい荷物は厳重に梱包された状態で出荷されることが多いので、引越しほど丁寧に作業を行なわなくても破損の発生する確率が低いんです。
また、これらの運送業者の作業員の仕事は宅配でも企業間の荷物の運送でも、客宅や事務所の玄関先で荷物を受け取ったり引き渡したりすることがほとんどです。
一方で引越しの作業は、普段は他人が決して入ることのないユーザーの生活空間で作業を行ないます。
時には小物のダンボール詰めなど、家具や収納の中身にまで手を触れることになります。
そして、女性の一人暮らしや、家族のお引越しの場合も女性の目線で合格点をもらえるような丁寧な作業や清潔感のある作業員の振る舞いでないと、クレームになることが多いんです。
これが、運送業者の作業員が引越しにすぐには適応できない理由です。
私自身は運送業者に３年、引越し業者に６年在籍しましたが、これが一番両者の違いで感じたことでした。
そして伸、びている引越し業者はそのことが分かっていて、丁寧な作業を心がけるように作業員を教育しています。
是非、良い引越し業者を選んでくださいね。
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